9月20日夜勤明けの空腹時血糖値は109mg/dlでした。

僕が日常生活でいちばん苦手なシチュエーション…
それは、後ろから話しかけられること。
難聴なので、相手の顔が見えないと何を言っているのか、ほとんど分からない。
いまだに続くマスク着用も悩みの種だし、耳元で囁かれるのも困る。
もうひとつ困るのが、目隠しをされた状態で話しかけられること。
「目隠しって何だよ」
と思われるかもしれませんが、あります。
歯医者です。
治療中は顔にタオルをかけられます。
その状態で先生や歯科衛生士から何か聞かれても、以前の僕にはさっぱり分からない。
何か、いきなり麻酔を射たれたり、切開されたりしてる。
歯医者が嫌なのは、歯を削られるからじゃない。コミュニケーションが取れないことのほうが、僕にはずっと苦痛。
ところが今は、スマホがあります。
診察台に座ったら、スマホを胸のあたりに置いて、音声文字起こしを起動しておく。
先生が何か話すと、画面に文字が出る。
それを読んで受け答えしてます。
たったそれだけのことですが、これで歯医者のハードルがずいぶん下がりました。
最初のころは、人前でスマホを出して文字起こしを使うことに抵抗がありました。
なんとなく恥ずかしかった。
でも、背に腹は代えられない。
僕にとっては死活問題なんで、今では役所の窓口でも、カウンターにスマホを置きます。病院でも、先生の机の端にスマホを置きます。
僕が使っているPixelの文字起こしはかなり優秀で、話した言葉がリアルタイムで次々と表示されます。
相手の人から、
「これ、便利ですね」
と言われることもしばしば。
これには使われる側にも慣れが必要で、僕のスマホに自分の喋りが表示されることに驚いて、それっきり黙りこくってしまう人もいた。
カルチャーショックというより、初めて「火」というモノに接した原始人みたいに、恐れおののく人もいるんですよ。
ただし、スマホも使えない場所がある。
理髪店です。
メガネを外して、後ろから、
「ここ、短くしますか?」
「横はどうします?」
「後ろは刈り上げますか?」
なんて聞かれても、何を言っているのか分からない。
第一、手にスマホを持っていられない。
昔は適当にうなずいていました。
その結果、どういう髪型になるのかは運任せだった。
まぁ、だいたい「のび太カット」で済ませてます。
今は、手話のできる理髪店を見つけて、そこを利用しています。
文字と手話。僕はもう聴覚は捨てた。余生は視覚情報優先で生きていく。
考えてみると、昔に比べて僕の行動範囲はずいぶん広くなった。
耳が良くなったわけではない。
「情報を受け取る方法」が増えた。
昔なら「聞こえないから仕方ない」で諦めていた場所にも、今は普通に出かけている。
便利な時代になったものです。
――もっとも。
これだけ優秀な音声文字起こしでも、僕がしゃべった「リハツテン」を、何回も「利発点」と変換しやがる。
「リハツテン」は「理髪店」だろ?
「リハツシサン」は「理髪師さん」だろ?
何だよ、「利発資産」って?