8月11日夜勤明けの空腹時血糖値は94mg/dlです。
もう5年来、いや10年来になるかな。
職場の帰りに必ず手を振ってくれるバアさんがいて、たぶん年齢は90くらいになるんだと思う。
20年前にJA(農協)の…何て言ったっけ、Aコープってスーパーの精肉コーナーにいた人で、僕が弁当を買いに行くと必ずやってきて、一方的に世間話を始める人だった。
こっちは早く弁当を食いたいのに、全然知らない人が登場するストーリーを延々と聞かされて、閉口したもんだった。
話の内容は、三軒先のうどん屋のご主人が救急車で運ばれただの、クリスマスケーキを3個予約したけど、客に渡す分が足りないから、1個しか買えなかっただの、もう俺にとってはどうでもよさげな話を、嬉々として聞かせてくれた。
あそこのスーパーの名物店員だったんだろうな。ちょっとした人気者でした。
やがてJAが別の地区に移転しちゃって、Aコープは閉鎖され、一旦更地になり、似たような感じの別系列のスーパーが開店しました。
現在はそこで弁当を買ってます。
当然ながら、あのバアさんの姿はない。
淋しいもんだなぁ…と思っていたら、職員駐車場へ向かう途中でバッタリ出くわした。
その時の話の凄まじさ…何年分かの滞納家賃を請求に来た家主みたいな感じ。
内容は、もうほとんど覚えていないんだけど、JAを辞めて、近くの団地に住んでるとか言ってた。
とにかく、元気そうでホッとした。
それからは、駐車場へ歩くたびに出くわし、話を聞かされました。
話の内容が重複することが多くなり、「その話、昨日聞いたよ」というと、舌を出して照れ笑いしてました。
同じ話を繰り返すことが多いなぁと思うようになった、ある日、あの人が救急車で運ばれたことを知りました。
1年近く姿を見なかったので、もう団地での生活は無理なんだろう。施設か何かに移ったのかもしれない、と思っていました。
ところが、また突然現れた。足腰が弱っているのは歴然としているけれど、気の荒さは健在でした。
デイサービスかリハビリの送迎員が毎朝やって来て、バスに乗ってくれるよう懇願してる光景に出くわしましたが、頑なに利用を拒否し、やがて送迎車も来なくなってしまった。
僕も心配して、一人で大丈夫か?と訊ねたんですが「前は三階だったけど、一階にしてもらったから」とズレた返事が返ってきます。
つまり以前は団地の三階まで階段を登るのが大変だったけど、役所に申請して一階に替えてもらったので、今はとても暮らしやすい、ということらしいです。
ここしばらくは、猛暑で姿を見かけないけど、たぶんエアコンの効いた部屋で麦茶でも飲んで、高校野球とかオリンピックを観てるんでしょう。
と言いながら、少し気になっているんですけどね。
いつもつるんでいるお友達の姿も見えないし、この時期は高齢者は外に出ないのかもしれない。
何か、昆虫みたいだな。
高齢者は僕らが考えている以上にしたたかなんじゃないでしょうか。
そういう僕も高齢者になっちゃったわけなんですけど…。