8月12日夜勤明けの空腹時血糖値は117mg/dlでした。

 

先日、妻と一緒に宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」を観に行ってきました。

この映画の原作は吉野源三郎の同名小説で、戦争の影響を受けた少年が、叔父から人生の教えを受けながら成長していく物語です。この映画では、原作とは異なる時代設定や登場人物を用いて、宮崎駿ならではの世界観を表現しています。

というより、全然別の作品です。劇中にオマージュとして出てくることはありますけど…。

僕はこの映画のことは上映前から知っていたんだけど、どうせ観ても分かんないだろうなとあまり興味がなかったです。いや、極力関心を持たないようにしていた。

なんせ、重度の難聴なんで…。アニメ映画は読唇ダメだしさ。

都市部では字幕付きの上映があったらしいのですが、それも限られた劇場や時間帯だったらしい。

田舎に住んでいるゆえに字幕付きの上映にありつくなんて、とてもとても…。

宮さんはさぁ、おそらく「無理して観なくてもいいんじゃない?」と言うと思うんだよなぁ。

何かそんなこと言いそうな爺さんだもん。

でもねぇ、妻が生粋のジブリファンで、そういうわけにもいかない。

明日にでも彼女が交通事故で死んだら…とか考えると、連れていくしかないわけです。

聴覚障害者にとって、字幕なしの邦画やアニメ作品を観ることは非常に困難。

僕はいつも、ネタバレ記事で予習してYouTubeで予告動画を何べんも視聴してから望むようにしています。そうしないと元が取れないですもん。

しかし、今回の「君たちはどう生きるか」では、ネタバレを自重する風潮があって、情報収集に四苦八苦しました。

だいたい10記事中10記事が違うことを書いてる。一体、同じ映画を観たのかい?

パンフレットすら後出し(やっと発売されたそうですが)ということもあり、一般の方々も作品について語るのを譲り合っている状態。

教えてくれよう、ぼく聴こえないんだからさぁ。

妻は健聴で、画面を食い入るように観ていました。

僕も頑張って観ていましたが、妻に言わせれば「3分の1くらいは口を開けて寝ていた」そうです。

つまり3分の2は目を開けて観ていたんだな。立派、立派。

僕が覚えているのは、何かやたらと鳥が出てくる映画だったということです。

鳥は宮崎駿の作品によく登場するモチーフなんでしょうか、豚や猫じゃなかったっけ?今回は徹頭徹尾「トリ、トリ、トリっ」って感じで、ワラワラと出てくる。

ストーリーやメッセージは「ぜんっぜん」理解できません。

ざっと観すぎてる嫌いはあるかもしれませんが、あれはルイス・キャロルの「不思議な国のアリス」の物語類型という感じ。

映画の始点では主人公は不安気に生きていますが、あれこれと不思議な出来事に巻き込まれ、終点では少しばかり現状を受け入れている彼がいます。

「君たちはどう生きるか」という問いかけに「まぁ、なんとかなるさ」と返したかったんじゃないかなと思います。

うーん、やはりこれは「3分の1くらいは口を開けて寝ていた」人間しか語れない、身も蓋もない感想だな。

映画にしろテレビにしろ、たいていの物語の帰結がこうだもんな。

しかし、どんだけ力を振り絞っても、これしか思い浮かばなかった。

妻はもう一度観てみたいそうですが、僕は倍額払っても他の映画を観るべきだと思う。

ミッションインポッシブルとかインディジョーンズとか他に分かりやすい映画を演ってるわけだしさぁ。

聴覚障害者にとって、邦画&アニメ映画鑑賞はなかなかハードルが高いものです。

あのジブリ映画ですら…いや、ジブリだから余計難しいのか?

エンドロールで流れてたらしい米津玄師の音楽も、僕の前では形無しです。

ウルトラマンやライダーは好きなんだけど、物語の中で何が語られているか、全然分かってないんですよ、実は。

「変身し怪獣倒して去っていく」っていう、13文字に集約される程度の内容把握しか出来てない。

とにかく字幕付きの上映がもっと増えることを願っています。