今朝の空腹時血糖値は以下です。116mg/dl
うーむ、微妙な数値。
今朝は珍しく自宅で過ごしています。有給取ったんですよ。
実は11時30分からオンライン手話検定の実技試験が行われるので、自宅待機しております。
恥ずかしながら、僕ら夫婦は、結婚式挙げてないんです。慌ただしく同居を始めて、周囲の知人たちもどうせすぐ別れるだろうとタカをくくっていたらしいんですが、入籍してからもうすぐ20年(同棲期間を含めると23年)になるのに、まだ別れないでいる。
今月に入って、せめて結婚写真だけでも撮っておこうと、妻から提案があり、「そうだね」と返事しておいたら、彼女がソッコー予約してきちゃってて、水曜日に衣装合わせに行って参りました。
ああいう場所では、完全に女性主導なんですね。通常夫婦で書き込む類の書類は、旦那が左側で右側が奥さんなんですけど、これが逆なんだ。
僕が難聴だってことはあらかじめスタッフにも伝えてあったせいか、お店から僕へのアプローチはあまり無かったです。つまり意見や要望を求められることはなかった。
僕はというと、余計な口出しをして、妻とコーディネーターが作ったせっかくの流れを邪魔したくなかった。だから黙っていた、というよりほとんど寝ていた。
平和な日常が戻るのをじっと待ち続けていた、と言ってもいい。
最初に僕の衣装合わせから行われたけれど、僕が着れるやつはもう既に決まってて、それを着て終わり。ブルーの恰幅のいいタキシードですね。
熊本には「英太郎」っていう、ばってん荒川のモノマネが上手いタレントさんが活躍してるんだけど、その人にとても良く似てた。鏡を見るなり、生きていたくなくなってきた。
ほんの一瞬着て、コーディネーターのOKが出たらすぐ脱ぎました。黒ならまだ見た目が良かったんだけど、「サイズがありません」と取り付く島もなかったです。
痩せたとはいえ、僕はまだまだ肥満体型。気に入った衣装は選べないし、仏頂面するわけもいかないし、退屈まぎれに椅子から立ち上がって、壁に掛けられたおびただしい数のレンタルドレスを物色するのもおかしいし…。
ああもう、苦行だな。苦行としか、表現しようがない。
僕に比べて、妻のフィッティング時間が長いこと長いこと。
まぁ、ウェディングドレスだからなぁ、おおかたオレ同様衣装に腹がつかえて、四苦八苦してるんだろうな…と大して期待せず、頬杖をついて待っていたら…。
見違えるような妻の姿が…。
「うわぁー、何だ。スゲーぞ。スゲー、キレイだぞ」って、思わず口走ってしまいました。ホント、腰が抜けそうだった。
続いて2着目のドレスも見たんだけど、あれはもっと凄かった。スマホに撮っているんだけど、1着目よりもキラキラする素材で、新作ドレスだとか言ってたな。割高になるらしいけど、「こ、これが良いぞ」と大変分りやすく感激してしまいました。
画像でお見せできないのが残念ですが、しばし放心してしまいましたねぇ。
それでその日はヘトヘトに疲れて帰ってきました。
妻は本番に向けて、エステに通ったりガードルっていう身体を締め付けるやつをアマゾンから取り寄せるとか、やらなきゃならないことがあるらしいです。
「あー、あとは本番を残すのみだなぁ」
そう思って家で一息ついていたら、突然妻がやってきて、「あそこ、キャンセルする」と言い出します。
「えー、何で?あそこで良いじゃない?」
ワケを訊くと、問題は僕にありました。
「あなたの服のサイズがないっていうし…」
つまりこういうことです。一緒に写るオレが太ってるのが、許せない…と。ブルーのタキシード版「英太郎」と写るのが嫌なのだと。
「でもオレの写りなんか、どうでもいいんじゃないですか?あなたがキレイに写ってらっしゃれば…」
「いや、それじゃダメなの」
花嫁は不敵な笑みを浮かべていました。瞳の奥にメラメラと燃える炎が見えたような気がします。ドレスをお召しになったせいで、化学反応を起こしたのでしょうか。何やら得体の知れない熱い決意を感じます。彼女は踵を返すと、のっしのっしと自室へ帰っていきました。
何か大変マズイことが起きようとしているのかもしれません。
大袈裟ではなく、ここんとこ生きた心地がしないです。
PS.結局、先の契約はキャンセルし、23日にまたどこか連れていかれるみたいです。