8月16日日曜日の空腹時血糖値は109mg/dlでした。

僕は2023年に児童小説ブログ「おしゃべりドラゴ」を立ち上げ、そこで週一回の作品アップロードを続けてきました。
途中から作品内容が児童文学を離れ、大人目線のものを書くようになり、ブログ名も「ドラゴ·ナラティブ」に変更、現在は純文学カテゴリで書き続けています。
週一更新とはいえ、三年も続けていると相当な数になります。
しかも一話ごとに挿絵イラストまで掲載しています。
こうなると、ふと心配になるんですよ。
何かのトラブルで、サイトが全部消えてしまったらどうしよう。
別にそこで大儲けしているわけでもありません。
というか、儲かってません。
でも僕にとっては大切なものなのです。
僕は文章を書くことが好きですが、商売向けの文章は書けません。
ネットビジネス創生期には、「ネットで稼ぎたければコピーライティングを学べ」なんてことが盛んに言われていて、僕も少なからず食傷されながら、ちょっと噛じったことがあります。
しかし、早々に離脱しました。
あれはテンプレート形式のセールスライティングで、僕がやりたい「自分の感情をトレースするような文章」とは、まったく異質の方法論だったからです。
そんな文章ばかり書き続けていたら、いずれ自分の文章を見失ってしまう。
最近流行りのAIライティングについても、基本的な考え方は同じです。
AIが生成した文章が、どれだけ洗練されていても、どれだけ「こちらの方が読みやすいですよ」と言われても、自分が共鳴できないものなら作品には採用しない。
そこは線を引いています。
そんな妙なこだわりを持ちながら創作を続けていたのですが、ある日、
「これ、本にして残しておけばいいんじゃないか?」
と思いつきました。
いや、それまでも電子書籍化を勧められたことはあったんです。
でも僕は聞く耳を持たなかった。
だって、やり方を知らない。
専門業者に頼んで、何万円とか何十万円とか払って、ISBNとかいう謎の番号を取得して……。
そんな大事業だと思っていました。
それでAIに訊いてみたんです。
「電子書籍って、個人でも作れるの?」
すると、
作れます。
「金掛かる?」
ほとんど掛かりません。
「難しい?」
それほどでもありません。
ほう。
だったら、やってみようじゃないか。
……この判断が間違いだったとは言いません。
確かに金は掛かりません。
しかし、根気は掛かります。
ほとんどAIのガイドに従って作業を進めたものの、Wordのレイアウトは崩れる、画像はずれる、目次は言うことを聞かない、アップロードしては戻され、直してはまたアップロードする。
そのうち頭がボーッとしてきます。
「それほどでもありません」と言ったヤツを問い詰めたくなりますが、そいつが、今まさに作業を手伝っているAIなので始末が悪い。
それでも何とか一冊の電子書籍が出版されました。
Amazonのページに自分の本が並んでいる。
これは不思議なものです。
売れるとか売れないとか、そういうこととは少し違う。
「ああ、残ったな」
という感じなんです。
これで、もしブログに何かあったとしても、作品そのものまで消えてしまうわけではない。
やれやれ。
これで一安心。
……と思ったところで、今度はKindleから、
「ペーパーバックも作りませんか?」
と誘われました。
ほう。
分かったぞ。
ここだな。
電子書籍を無料で作らせておいて、紙の本にするときに金を取るんだな。
世の中、そんなに甘くない。
と思って調べてみたら、
これも出版するだけなら、どうも金が掛からないらしい。
だったら、やってみようじゃないか。
そして僕は、電子書籍以上の泥沼へ足を踏み入れました。
紙の本には、紙の本なりの都合があります。
ページ数、余白、ノンブル、改ページ。
そして表紙。
電子書籍なら表だけ作ればよかったものが、紙の本では表表紙と裏表紙があり、その間には背表紙まである。
しかも本のページ数によって、その背表紙の幅まで変わる。
知らんがな。
何度PDFを作り直したことか。
何度アップロードしたことか。
何度「今度こそ完璧だ」と思ったことか。
途中から本を作っているのか、Amazonの入稿システムと戦っているのか、自分でもよく分からなくなってきました。
そんな難産の末、とうとう完成したのが、
『ファットオーブの伝説』。
その校正刷りが、今日、我が家に届きます。

画面の中では、もう何度も見ています。
表紙も本文も、嫌というほど見ました。
それでも、段ボール箱を開けて、自分が昔書いた物語が本の形になって出てきたら、たぶん少し妙な気分になるでしょう。
2023年に始めたときは、そんなことはまったく考えていませんでした。
誰かに売るためでもなく。
儲けるためでもなく。
ただ書きたかったから書いて、挿絵を付けて、ネットの片隅に置いてきた物語です。
それが三年後、紙の本になって帰ってくる。
まあ、それも悪くない。
ただし。
現物を確認して、
「うわ、ここズレてる」
とか発見しないことを、今は心から願っています。
『ファットオーブの伝説』Amazon Kindleストアで販売中