8月4日夜勤明けの空腹時血糖値は112mg/dlです。

 

先月、補聴器を新調しました。

助成制度を活用したんで、自己負担額は八千円ぐらいでした。

夏場は特に汗をかきやすいんで、音が出なくなったり、ノイズが酷くなったりするトラブルが多いんですよ。

僕の場合、重度の難聴なんで、出力が大きい機種でないと、ダメなんです。

Amazonとか楽天で入手出来るような汎用品じゃダメなんです。

それでいつもお世話になっている補聴器専門店にお願いしたんだけど、補聴器の受け渡しの日に来店したら、いつものオジサンがいないの。

代わりに40歳くらいの女性が対応してて、胸に「認定補聴器技能者」とか書いてあるネームプレートをぶら下げている。

会社に勤務中の「セクシー田中さん」みたいな感じの人で、何か見た目が凄くキツイ感じ。

ハッキリ言って、苦手なタイプ。

従順にしていれば、10分程度で解放されるだろう、と思っていたら、これが結構時間が掛かるの。

彼女が悪いというわけではなくて、今のデジタル補聴器自体の調整が細か過ぎるんだろうね。

パソコンに何やら入力したり、何種類かの聴力検査をしたり、後ろから話しかけられたりと「ま、まだ何かあんのかい?」ってくらいやることがあるわけですよ。

検査とかは耳鼻科の診察でひと通り済ませて申請してるんですけど、補聴器店は補聴器店でマッピング用の検査データが必要らしい。

昔は裏蓋を開けて、精密用ドライバーでチョイチョイいじってオーライって感じだったけど、今はそうはいかないんだな。

とにかくマッピングが一段落して、ようやく補聴器を装用したんだけど「聴こえのほうはいかがですか?」と認定補聴器技能者の女性が尋ねるわけ。

「ええ、聴こえますよ」と答えると「どんな感じですか?」とまた訊き返されるわけ。

どんな感じって…何て答えるべきだろ?「どんな感じかっていうと」

しばし沈黙。

「私の声はどんな風に聴こえますか?」と女性。

ひどくトゲトゲしい声という言葉が真っ先に浮かんだけれど、そんなの言えるわけないじゃん。

「ちょっと硬い感じかな」と僕。

「それじゃ調整してみますね」と女性はパソコンに入力します。「今度はどうですか?」

良くなりましたとか、だいぶ良いですとか、僕も歯切れよく言いたいんだけど、言うべき根拠が全くない。

良くなったんだかどうだか。

返答に困っていると、またあのフレーズが…。

「私の声はどんな風に聴こえますか?」

ええっーと。さらに追い討ちが。

「優しい声に聴こえますか?」

相変わらずトゲトゲしいので返答に困って首を傾げていると、女性はまたパソコンをカシャカシャ。

「どうですか?私の声が優しい声に聴こえますか?」

これはもう、言えっ、言ってしまえ。「優しい声に聴こえます」って、そうすれば、この人は満足するしだろうし、この尋問も終了だ。

もうこのやり取りは嫌だ。

僕は少しゲンナリした顔で真顔になって、正直に言いました。

「僕は元々あなたがどんなお声なのか知らないし、店内にはあなたしかいらっしゃらないので、比較のしようがないです。帰宅して、妻の声がおかしければまた調整に伺います」

と告げて、ようやくマッピングから解放されました。

あの女性に他意は無いんだけれど、これからもあの変ちくりんな問いかけを続けてゆくつもりなんだろうか。

なりふり構わず頑張っちゃう人なんだろうと思う。

「認定補聴器技能者」か、初めて聞く資格だな。

おかげで補聴器は良く聴こえています。